限界を迎える前に!「老老介護」を支える
介護サービスの活用法

今回は「老老介護」についてお伝えしていきます。
老老介護とは、
高齢者が高齢者を介護する状況のことで、近年の高齢化が進む日本では、この老老介護者が増加しています。
老老介護の抱える問題は言うまでもなく深刻な状況で、多くの家庭で大きな負担となっています。
近年では、ご両親と二世帯で暮らしているご家庭は少なく、必然的に老老介護をされてるケースも多くなります。
離れて暮らす親の身体的・精神的に限界ではないかと心配される方も多くおられます。
ですが、ご自身の生活もあり、心配だからと共に暮らすことや離れて暮らすご両親の介護を行うことは容易ではありません。
老老介護においても
介護する側・される側の両方の負担を減らすことが、大切な課題です。
本記事では、
・老老介護の現状やリスクについて
・介護サービスの選び方を詳しく解説
・ご家族が安心して介護を続けられる方法
についてご紹介します。
1. 老老介護とは?現状と問題点
老老介護が増加する背景
日本は超高齢社会を迎えていることはご存知かと思いますが、65歳以上の高齢者が高齢の配偶者や親、兄弟姉妹を介護するケースが増えています。
厚生労働省の調査によると、介護者の約半数が65歳以上ということです。
この調査からも、老老介護は社会的な課題となっていることがわかります。
老老介護が抱える主なリスク
老老介護では、介護する側も健康リスクを抱えるため、転倒や病気による共倒れが懸念されます。
また、介護疲れから精神的に追い詰められてしまうことも少なくありません。
精神的に余裕がなくなることで、虐待やネグレクト(介護放棄)につながる危険性も指摘されています。
2. 老老介護がもたらす身体的・精神的負担
介護する側の負担(身体的・精神的な影響)
老老介護では、介護者も高齢であり、体力的にも精神的にも厳しい状況の中で日々の介護を続けなければなりません。
長時間の介護や肉体的な負担が重なることで、腰痛や関節痛などの身体的トラブルを抱えるケースが多く見られます。
身体が不自由なパートナーがいる場合、トイレやお風呂の介助は妻や夫が自宅で介護しているケースもよくあります。
最初は「なんとか自分でやれる」と思い、一人で介護を行っていても、毎日の疲労と体への負担はとても大きく次第に介助者の腰痛が悪化し、立ち上がるのもつらい状態になられてしまいます。
介護をする人がいないため、痛みをこらえながら介護を続けていた結果、ぎっくり腰を発症し、介護どころか、自分自身が歩くことも困難になり、二人とも生活が立ち行かなくなってしまいます。
また、自宅での介護は終わりのない介護に精神的な負担も大きく、ストレスを抱えてしまいます。
認知症のパートナーがいる場合、昼夜問わず徘徊されることも多く、毎晩何度も起こされることもあります。
睡眠不足が続くと、疲れ果て、無気力になり、食事も摂れなくなってしまうことも考えられます。
「パートナーを支えなければ」と思うあまり、自分の健康を顧みず、気づかぬうちに精神的に追い詰められ、介護うつになられるケースも少なくありません。
介護される側のリスク(適切なケアが受けられない危険性)
介護する側の負担が増すことで、適切なケアが行えなくなり、結果として介護される側の健康が悪化するケースも少なくありません。
特に、食事・排泄・入浴といった基本的なケアが滞ると、栄養不足や感染症のリスクが高まります。
介護をしながら家事をすることは高齢者にとって負担は大きく、簡単な食事(パンやおにぎりなど)ばかりで、栄養バランスが偏る生活になりがちです。食生活の乱れから低栄養状態に陥り、筋力が低下し、ついには寝たきりになってしまいまうことも考えられます。
寝たきりの介護者がいる場合、自力でトイレに行くことができないため、オムツ交換を行わなくてはなりません。
おむつ交換は腰への負担が大きく、特に高齢者が介護をする場合、介助のたびに腰を痛めてしまうため、十分なケアができない状況になられてしまうことも考えられます。おむつ交換の頻度が減ってしまうことで、皮膚トラブル(褥瘡・ただれ)が発生します。さらには、感染症のリスクも高まり、病院に運ばれる事態となるケースもあります。
3. 老老介護の限界|こんな兆候があれば要注意!

介護疲れによる「共倒れ」のリスク
以下のようなサインがある場合、介護者が限界を迎えている可能性があります。
- 介護者の体重減少や疲れが目立つ
- 介護者が不眠やストレスを訴える
- 介護される側の衛生状態が悪化している
介護虐待・ネグレクトの危険性
介護疲れが極限に達すると、イライラが募り、つい暴言を吐いてしまう精神状態になってしまうことも考えられます。
このような場合は、「介護虐待」の兆候となり得るため、早めのサポートが必要となります。
4. 老老介護を支える介護サービスの種類
介護保険で利用できるサービスとは?
介護保険を利用すれば、以下のようなサービスを受けることが可能です。
- 訪問介護(ホームヘルプ):ご自宅で家事や身体介護のサポート
- デイサービス(通所介護):日中の活動支援を通所先で受けられる
- ショートステイ:短期間の施設入所で介護者の負担軽減
上記のようなサービスを活用することにより、介護の負担を軽減することが可能です。
訪問介護では食事のサポートを受けることも可能ですが、介護保険利用者のみの食事のサポートとなるため
同時に同居家族の食事も必要な場合は自費介護サービスの利用が適切な場合もあります。
デイサービスやショートステイを利用することで、介護者の時間の確保もできるため、介護のストレスへの軽減を図ることもできます。空いた時間で、家事やご自身の通院や趣味の時間に当てることも非常に大切なことです。
介護保険外の自費介護サービスの活用法
介護保険のサービスには時間制限があるため、より柔軟なサポートを受けるには、自費介護サービスの活用が有効です。
自費介護サービスでは、買い物・外出支援・趣味活動の付き添いなど、より個別のニーズに対応したサービスを受けることが出来ます。また、自費介護サービスは、介護保険認定を受けていない方へのサポートも可能なため、ご家族全員の食事や生活の支援を受けることが出来ます。介護保険では足りないサポートは自費介護サービスで受けるといった使い方もお勧めです。
5. 介護サービスの活用で老老介護を無理なく続ける方法
介護サービスの組み合わせで負担を軽減
介護保険と自費介護サービスを上手に組み合わせることで、介護の負担を大幅に軽減できます。
例えば、デイサービス+自費の訪問介護を併用することで、介護者の休息時間を確保することができます。
デイサービスでは在宅介護で大変な入浴介助のサービスも受けることができるため、老老介護においてはかなりの身体的負担が軽減されます。また、ご自宅以外のコミュニティに属することで、刺激となり認知症予防の観点からも良い効果も期待できます。
自費の介護サービスでは、ご自宅の清掃から炊事洗濯、通院の同行など生活のあらゆるサービスを受けることができるため、困ったときにだけ活用するなど自由に利用することが出来ます。いつでも利用できるように、事前にお住いの地域にどんな自費介護サービスの事業者があるのかを知っておくと安心です。
家族ができるサポートと相談先
老老介護の負担を軽減するには、その家族も適切なサポートを提供することが重要です。
定期的に親の様子を確認し、早めに専門家に相談することで、介護の負担を分散することが出来ます。
また、地域包括支援センターやケアマネジャーに相談し、最適な介護サービスを提案してもらうことも大切です。
地域包括支援センターはこちら川越市地域包括支援センター
・まとめ|老老介護は一人で抱え込まないことが大切!
老老介護は、介護する側・される側の双方に大きな負担をもたらします。
ですが、介護サービスを上手に活用すれば、負担を軽減しながら安心して在宅介護を続けることが可能です。
「もう限界かも…」と感じたら、早めに専門家に相談し、介護保険+自費介護サービスを活用することを検討してください。
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